デジタルファブリケーションと建築

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3dprinter
 
  • デジタルファブリケーション
デジタルファブリケーションといわれてもメジャーな表現ではないと思うので解説。

 

デジタルファブリケーションとはデジタル機器、現実的には所謂パソコンを使って物作りをすることを広義には指すようです。

 

ここ数年、一番顕著なのは3Dプリンターですが、それ以外にもレーザーカッターやカッティングマシン等、パソコンで作ったデータを現実の物質に直接出力出来る機械が民生用でも徐々に台頭してきています。

そのことにより、個人が『ものづくりをする』ということが非常に身近になってきています。レーザーカッターやカッティングマシンを使えば同じ形のモノをある程度の薄さであれば無数にデータだけ作って放置しておけば勝手に作ってくれます。

 

今までは金型を作って工場で作っていたものや、カッターと定規で一生懸命切っていた物を机上でマウスとキーボードを使って作れるようになるというわけです。

 

それらは数年前までは数百万、数千万するような業務用、実験用の機械だったのが、今ではみるみる民生化が進み安いモノでは3Dプリンタですら10万もしないで手に入れることが出来るようになっています。

 

 

 
  •  建築との関係
さて、このデジタルファブリケーションがどのような影響を建築にもたらすか。

 

大きい話ではでは3Dプリンタで出力された構造体の上に屋根を掛けて今まででは実現し得なかった複雑な構造体や大スパンのものを高精度で作ることが出来るようになる。ないしは同様の物を量産することが出来る。

 

現実的なところだと、例えばとある事務所がフランク・O・ゲーリーよろしくな曲線を多用した建物のスタディ模型を曲率違いで複数作りたいと思った時、曲率データさえ変えてしまえば、後は出力して放置しておくだけで模型ができあがると。

 

ないしはカッティングマシンやレーザーカッターで模型に乗せる植栽や人をあっという間に量産や、敷地模型のコンタを瞬時に切り出すとか。この辺は現状でもやっているところもあるかと思います。

 

とにかく人間の手では膨大な労力を伴う、または不可能に近い形状のもの、ないしは物量のものを作ることが出来るというのが最大のメリットなんではないでしょうか。

 

 
  • 現状
日本はまだまだこういった設備的な環境を構築するのには時間がかかるかと思いますが

やはり欧米諸国はその辺は先進的なようで、大学に建築学科の学生が使えるデジタルファブリケーションの機器が設置されているところもあるようで。すごいですね。

 

シカゴの公共図書館に於いては『メーカーラボ』と銘打って、期間限定ながらも3Dプリンタやレーザーカッターを複数台、またデータ作成や入港用のコンピュータも合わせて設置し、市民に開放するという試みを行っていたとのこと。期間限定でありながらも自由にデジタルファブリケーションに触れる機会を持てるというのは非常に有意義でしょう。
シカゴ公共図書館に登場した「メイカーラボ」 « WIRED.jp

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日本でも研究用途で使えるところはあるようですが、どうしてもイニシャルコストもランニングコスト高い機器なので中々学生が容易に使うことはできないようで。

 

研究用途だと例えば明治大学の大河内研究室が設計手法としてデジタルファブリケーションを利用していたり、慶応大学の池田研究室が構造設計に活用していたりします。

 

OKOLAB.net » デジタルファブリケーションを用いた設計手法の研究−間伐材を用いたシェルターをケーススタディとして−

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Digital Woods for Timberize

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自分の在籍していた学校にもレーザーカッター、3Dプリンターがありましたが、ランニングコストや機器自体の値段の高さから、用途が案の定研究用途に限っての利用のみでした。個人の制作(卒業制作等)では使わせてもらえなかったです。

 

これは勿論技術の進歩が伴わなければ実現しない話ではありますが、現実的なところだと3Dプリンタが顕著ですが、デジタルファブリケーションはまだまだ『高価な楽しみ』の域を脱していません。

 

設計の現場で使うのであれば、ディテールを作る物ではなく、形状のスタディに使う方が現実的でしょう。形状のスタディを行うのに1つのスタディ模型に数万円はかけられませんよね。むしろ数千円もどうかと。個人事務所では1000円で1個が良いところ。10パターン作れば1万円しますから。

 

組織事務所であってもやはり数千円が限度でしょう。それを考えると現状の3Dプリンタはやはりマテリアルやサポート材がどうしても高価なんですね。今以上に普及することによってさらに技術が進み値段が落ちてくるとは思いますが、中々時間のかかる物のようにも感じます。

 

デジタルファブリケーションが進歩すれば今まで建築に於いて使えなかった形状や工法などももしかしたら可能になるかもしれません。人によっては設計のプロセスに大きな変革をもたらす可能性もあります。

 

これらの技術についてより注視していく必要がありそうですね。

 

 

 Via Wired.jp - シカゴ公共図書館に登場した「メイカーラボ」

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